BUDDHAMNED!! -Introduction- あの日、確かに少しの微熱をおでこに抱え 三角窓のモービルで裏庭をとびだし 赤屋根の裏はグリーンの幕で カーテンコールに小さい鳥どもはしゃぎすぎだと戒めると 小鳥のようにクルクル動き回っていた娘の両目から 涙ほどのスズメが電柱目指して羽ばたき飛ぶので 裏山への近道をリトルホンダに乗り換えて 扉の向こう側までふかしていきました。 そこには、屋上遊園めいたまったく他人事の景色が眺められ 森の鳥たちのさえずりは、大鴉の不安で電線を伝わり 前にならった電柱にポウと黒い花を咲かせます。 花壇に囲まれた静かの池にはゆらゆら蠢く七色の陰 街のネオンやビルの灯りが池に垂れると、波紋に細かく刻まれている 色とりどりのインクが壷から流れ出ています。 助手席の彼女は両目を覆っていた手を外し、丸い空洞でジイと見つめてくる。 ガランドウになった小箱は瑪瑙の響き 左の心がグウと鳴るのを我慢して 射抜かれた視線の矛先見上げれば 額を火照った太陽に 五体の銀河系は瀕死のあえぎをポンと吐き出した。 未確認飛行物体然とした形に動き、裏山の、東の空が朝焼け模様でS O S! 切り絵細工の影絵の帽子が、ピンで茜色のショールに留められています。 「ありゃなんだい?」 「こりゃあたまげた、UFOだ!」 |